2009年10月30日

個展に行ってきました。

9月のシルバーウィークに5日間で6回来てくださった、坂口さんのご主人の個展です。
実は坂口さんのご主人は学校の美術の先生でもありますが、画家でもあります。

私は写実的な画はあまり好きではありません。(嫌いではないのですが・・・・)
現代的な抽象画の方が好きです。
写実的な画は、描く対象物が必ずありますよね。
でも、抽象画は対象物が必ずあるとは限りません。(ある場合もありますが。)
何かモノを見て描くのではなく、心や頭の中にわき出したものを描くのが抽象画だと思っています。
また対象物があったとしても、それをそのまま描くのではなく、
一旦画家の頭の中に入れたものを、画家の心を通して描いていると思っています。
つまり私は一枚の画を見て、画家の心や頭の中を覗いていることになるんです。
何が描かれているのか?ではなく、その画から出てくる画家のエネルギーや心象を受け取ることが私の画の見方でもあります。
そういう素敵な画を見ることで、自分にもそれを反映させます。
エネルギッシュな画を見ると、こっちもエネルギッシュになるような気がしますし、
静かな佇まいの画を見ると、見ている方の気持ちも穏やかになってくるような・・・・
そこが抽象画の好きな所でもあります。
写実的な画にも決してそれがないわけではありませんが、
それよりも先に「観て綺麗!」という事の方が先に立ってしまいがちです。
画家の心象やエネルギーを受け止めやすいのが、私にとっては抽象画なのです。

今回の個展は、まず会場に入って驚きます。
坂口さんから聞いてはいたものの、その数500点以上の作品が所狭しと並んでいます。
階段の横、裏側、喫茶の壁・・・・ありとあらゆるところに飾られています。
とても面白い企画です。
ご本人は「1000点飾りたい」と仰っていたのですが、500数十点で収まったようです。(笑)
内容は、お若いときからの作品から現在まで。
沢山の作品で、その遍歴を垣間見ることが出来ます。
若いときのエネルギッシュな画、シュールな画の連作も素晴らしい画でした。
北海道にいらしたときの風景画は水彩でしょうか?とても静かですが、力強さも感じます。
文字のような画はいつ頃なのでしょう?梵字のようなとても不思議な画ですが、凛としています。
そして多分最近の画だと思いますが、段ボールに描いた作品群。
段ボールの段々が、とても良い効果を出しています。
素朴に見えるのですが何か叫びのような、心から湧き出たものをとても素直に描いているようで素晴らしい作品でした。
以前他の方のグループ展に行ったときも描きましたが、 luóbo のお客様だから良く書くということは私は決してしません。
もしつまらない個展を観たら、ここでは絶対に載せません。
それほど、私は坂口さんの作品が大好きです。
よく抽象画は分からない・・・・と仰る方がいますが、私は画は観るものではなく感じるものだと思っています。
どう感じるかは、それぞれ違うのは当たり前だと思います。
でも、最初に書いたように抽象画には観るだけではない、自分に跳ね返って来る感動があるんです。
抽象画は分からない・・・・などと仰らずに、是非感じて欲しいと思います。
それが画、いえ芸術全般に言える事だと私は思います。
観る側がどう感じようといいと思います。
描いた人がどんな気持ちで描いたのかも、知る必要はないと思っています。
それよりも何よりも画を観た自分がどう感じるか?の方が大切な事だと思います。
今日、私は沢山のエネルギーを頂きました。
そして、その後の一日が満足感でいっぱいでした。
坂口さん!素晴らしい作品を観させて頂いて有り難うございます。
しばらくはこの満足感が続くでしょう。
つまらないテレビを見るくらいなら、坂口さんの作品を思い出した方が私にとってとても楽しい事ですから!

11月8日まで開催されています。
場所はみやこ町豊津の「みどりの館」(0930-33-6565)11:00〜18:00。
11月2日はお休みです。


みどりの館の入り口でも、作品が迎えてくれます。


展示会場です。圧倒的な作品の量にまずはびっくり!


梵字のような画のコーナーです。凄い!!の一言しか出ません。


沢山沢山ある作品の中で、私がひっくり返ったのがこの猫。
ささっと描いた猫の後ろ姿の、なんと気品のあること!
この絵を観て、なんてうまい画なんだろう!(わたしなんぞが言えるものでもありませんが・・・・)
などとついぞ思ってしまいました。失礼しました!

2 件のコメント:

  1. すごい沢山の絵ですね!
    500点もの絵を、一度に見られるなんていいですね!
    ぜひ見たかったです〜、残念!(笑)
    とはいえ、実はとても有難いことに、平尾台シリーズの絵はいつでも眺められます!
    貴重な絵を、手元にお預かりしていますから!ウレシイ!(笑) とてもやさしい絵です。

    >>何かモノを見て描くのではなく、心や頭の中にわき出したものを描くのが抽象画だと思っています。
    >>一旦画家の頭の中に入れたものを、画家の心を通して描いていると思っています。

    確かに、抽象画は写実的な絵に比べて、ちょっと入りづらい感じがしますよね。
    ただ覧る側は、自由に思うがままに感じることは出来るのですが、抽象画を描くって、凄いなぁって思うのです。
    現代アートもそうですが、作品の中に自分を表現するって、普通の大人には難しいような、、ん、ヘンな意味ではありませんよ!(笑)

    きっと今回の沢山の絵には、若かりし頃から現在に至るまでの坂口さんのエネルギーが溢れているのでしょうね。
    8日まで、沢山の方に覧ていただきたいですね!

    返信削除
  2. 本当に素晴らしかったです。欲しい作品4〜5点、
    油絵なんか、ど迫力の世界です。「月夜に踊る」と「韓国」は、お金があれば、即買いです。
    モノクロの絵は、生きてる感があり、生物的にも、ひわいにも、とれます。油絵は、暗い傾向ですが、水彩画は、パステル調で明るく同一人物が書いたとは、思えない飽きない個展でした。是非行ってみて下さい。

    返信削除